E資格問題にチャレンジ!本日のお題は「Mask R-CNN」
問題
[問題]
以下のうち、Mask R-CNNについて誤っているものはどれか。
(A) Mask R-CNNは、物体検出とセグメンテーションを同時に行うためのディープラーニングアルゴリズムである。
(B) 候補領域プール(RoIAlign)を使用して、候補領域の座標を整数値で丸めることで矩形を得ている。
(C) 候補領域プール(RoIAlign)は候補領域を固定サイズの特徴マップに変換する。
(D) 変換された特徴マップを使用して、物体クラス、境界ボックス、およびセグメンテーションマスクを予測する。
答え
B
解説
Mask R-CNNは、物体検出とセグメンテーション(画像中の物体のピクセルレベルでの分割)を同時に行うためのディープラーニングアルゴリズムです。この手法は、物体検出のタスクにおいて従来のR-CNN(Regions with Convolutional Neural Networks)アーキテクチャを拡張したものです。したがって、(A)は正しい記述です。
Mask R-CNNの手順は、以下のようになります。
- 入力画像の特徴抽出: 予め学習済みの畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルを使用して、入力画像から特徴マップを抽出します。通常、ResNetやVGGNetなどの一般的なモデルが使用されます。
- 候補領域の提案: 特徴マップ上の各位置に対して、領域提案ネットワーク(Region Proposal Network、RPN)を適用し、候補領域(境界ボックス)の提案を行います。RPNは、物体が存在する可能性の高い領域を予測します。
- 候補領域の特徴抽出: 候補領域プール(RoIAlign)を使用して、候補領域を固定サイズの特徴マップに変換します。RoIAlignは、ピクセル位置の補間を行い、位置の精度を向上させます。したがって、(C)は正しい記述です。
候補領域を固定サイズのグリッドに分割します。各グリッドセル内のピクセル位置を、元の画像座標系から特徴マップの座標系に変換します。変換された座標に基づいて、特徴マップ上の対応する位置から双線形補間によって補完し、値を求めます。これにより、ピクセルの位置ずれに対しても頑健な特徴抽出が可能となります。RoIAlign操作の結果として、候補領域内のピクセル位置の正確な特徴マップが得られます。したがって、(B)は誤った記述です。 - 物体クラスの予測と境界ボックスの修正: 候補領域内の特徴マップを入力として、物体クラス分類器と境界ボックス回帰器を使用して、各候補領域の物体クラスと境界ボックスの予測を行います。
- 物体セグメンテーションの予測: 候補領域内の特徴マップを使用して、物体セグメンテーション(マスク)を予測します。これにより、各候補領域内の物体のピクセルレベルの分割が得られます。したがって、(D)は正しい記述です。
- 損失関数の計算と学習: 物体クラス、境界ボックス、およびセグメンテーションマスクについて予測と正解を比較し、損失関数を計算します。この損失関数を最小化するように、モデルのパラメータを学習します。
- 推論: 学習が終了したモデルを使用して、新しい画像に対して物体検出とセグメンテーションを行います。候補領域の提案、物体クラスの予測、境界ボックスの修正、および物体セグメンテーションの予測を行い、最終的な物体の位置、クラス、およびセグメンテーションを得ることができます。
Mask R-CNNは、物体検出とセグメンテーションの精度と効率性の両方を高めることができるため、コンピュータビジョンのさまざまなタスクにおいて広く使用されています。例えば、画像内の複数の物体の同定やセマンティックセグメンテーション、インスタンスセグメンテーションなどのアプリケーションに応用されます。
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